こんにちは、フォトグラファーの岡本隆則です。
今回は、福井のまちなかを舞台にしたフォトウェディングのレポートです。ウェディングフォトといえば、ドレスにタキシード、チャペルや庭園——そんなイメージがありませんか?この日のおふたりが選んだのは、お気に入りの服とチュールのスカート、そしてベール。住み慣れた街を一日歩きまわる、ストリートスナップスタイルのフォトウェディングです。
まちなかをスナップ撮影

車からベールを取り出して、いざ出発。この時点でもう、いい一日になる予感しかありません。


映画館のポスター前でふざけてみたり、商店街の店先でポーズを決めてみたり。「映える場所」を探すというより、目に入ったものぜんぶで遊んでいくスタイルです。

年季の入ったレトロな看板の下で、ブーケごとぎゅっと。まちなかの「時が止まったような場所」は、ふたりの一瞬をより際立たせてくれます。


手をつないで横断歩道を渡れば、駅前では福井名物の恐竜がお出迎え。地元ならではのランドマークと一緒に残すのも、まち歩き撮影の楽しさです。

同じ横断歩道も、ローアングルから狙えばグラフィックの一部に。白線のストライプが効いています。

グラフィティの壁の前では、ふたりでひたすらふざけ合い。ポーズの指示はほとんどしていません。作り込まないやりとりほど、あとで見返して笑える写真になります。
路地と公園で

蔦に覆われた路地は、まるで映画のセットのような雰囲気。観光地ではない、普段の街の中にこそ、こういう宝物みたいな場所が隠れています。

オレンジ色のレトロな扉に、額縁のようにすっぽり収まる新郎。ソロカットも遊び心たっぷりに。

公園を見つけたら、チュールのスカートのまますべり台へ。童心に返って遊ぶ姿こそ、いちばん自然な表情が出る瞬間だったりします。

ドライフラワーのブーケの上に、そっと重ねた指輪。カジュアルな一日の中にも、ウェディングらしいカットはきちんと残します。

歩き疲れたらジェラートでひと休み。休憩時間もカメラは止めません。むしろこういう時間こそ、撮っていていちばん楽しいんです。
フォトウェディングは私服でもいい?
もちろんです。ドレスや和装はもちろん素敵ですが、「一番好きな服」で撮るフォトウェディングには、何年経っても色あせない「ふたりらしさ」が写ります。
おすすめは、好きなものをどんどん持ち込むこと。この日のおふたりも、ゲームのコントローラーに好きな雑誌、スケートボードと、ふたりの日常をそのまま連れてきてくれました。小物がひとつあるだけで、写真は一気に「ふたりの物語」になります。
夕方は河川敷へ

衣装をブラックコーデにチェンジして後半戦。年季の入った自動販売機の前が、一気にアルバムジャケットのような一枚になりました。

路面電車の走る通りで、電車の合間を縫って一枚。まっすぐ奥へ伸びる線路と架線が、ふたりの背景を引き締めてくれました。

ベールをなびかせてスケートボードで橋を渡る花嫁、なかなか見られるものではありません。

河川敷では、持ち込んだコントローラーと雑誌を広げて、いつもの休日みたいなワンシーンを。「特別な日」と「いつものふたり」が同居しているのが、この撮影のいちばん好きなところです。

そして、おふたりのリクエストで挑戦した、あえてブラした一枚。ストリートスナップ誌の1ページのように、かたちよりも動きと空気感を写し取りました。「きれいに撮る」だけにとどまらず、こんな遊びのあるカットを一緒につくれるのも、まち歩き撮影の自由なところです。

日が傾いてきた河川敷で、ベールをそっと直すひとコマ。一日はしゃぎ続けたふたりの、ふっと静かになる瞬間です。
撮影を終えて

最後は車のトランクに腰掛けて、この笑顔。朝から夕方まで、街じゅうを遊び場にした一日でした。
「ドレスは着ないかも」「かしこまった写真は照れくさい」——そんなおふたりにこそ、まち歩きのフォトウェディングはおすすめです。好きな服で、好きな場所で、好きなものと一緒に。おふたりらしい一日を、一緒につくりましょう。
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撮影地:福井県福井市(まちなか・河川敷)