「補助金が使えるらしいので、それでホームページを作りたい」
このご相談を、締切の2週間前にいただくことがあります。結論から言うと、その時期からでは間に合いません。事業計画も見積りも、中身のあるものは書けないからです。
では、いつ動けばいいのか。公募の半年前、つまり秋から冬です。理由を書きます。
なお、この記事で扱うのは金額の大きい制度です。県には、年度の途中で受け付けている制度もあります。県が選んだツールのカタログから導入するもので、補助率1/2・上限50万円。そちらは福井県が、デジタル導入に補助金を出していますにまとめました。春を待たずに動けるものを探しているなら、先にこちらをご覧ください。
福井で使える主な制度
まず、何があるかを整理します。
ふくいDX加速化補助金
福井県内の中小企業・小規模事業者が対象で、デジタルツールを導入して生産性向上や業務の変革を図る取組を支援する制度です。公益財団法人ふくい産業支援センターが窓口になっています。
令和8年度は次の内容でした。
| 枠 | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| 一般枠 | 400万円 | 1/2(小規模事業者は2/3) |
| トライアル枠 | 100万円 | 1/2(小規模事業者は2/3) |
公募期間は 令和8年4月10日から6月10日まで。すでに終了しています。
デジタル化・AI導入補助金2026
令和8年度からIT導入補助金がこの名称に変わり、AIの活用をより強く支援する仕組みになりました。中小企業庁・中小機構が所管しています。
こちらは登録されたITツールの導入が対象で、枠によって上限・補助率が変わります。
上記はいずれも令和8年度時点の内容です。次年度は変わる可能性があります。申請前にふくい産業支援センターとデジタル化・AI導入補助金事務局で必ず最新の公募要領をご確認ください。
ホームページ制作は、単体では通りにくい
ここが誤解されやすいところです。
「補助金でホームページを作る」という言い方をよく聞きますが、宣伝目的のホームページ制作費は、多くの制度で対象外です。デジタル化・AI導入補助金は登録されたITツールが対象で、広告宣伝としてのサイト制作費はそこに入りません。
もう少し正確に書きます。以前はホームページ制作を対象にできる枠(デジタル化基盤導入枠)がありましたが、2024年度でこの枠自体が無くなりました。「昔は使えたらしい」という話が残っているのは、そのためです。
なお小規模事業者持続化補助金にもWeb関連の経費は入りますが、申請額の4分の1までという上限があり、Web関連費だけでの申請はできません。
一方で、業務の変え方とセットで組み立てれば、対象に入ることがあります。たとえば次のような形です。
- 電話と紙で受けていた予約を、サイト上のシステムで受けて自動で台帳に入るようにする
- 問い合わせ内容を分類して、担当者へ振り分けるところまでを仕組みにする
- 在庫や価格の更新を、複数の媒体へ一度の入力で反映する
違いは「見せ方を良くする」か「業務のやり方を変える」かです。後者なら、削減できる時間を数字で書けます。前者は書けません。
つまり、補助金を前提にするなら、サイトの見た目の話ではなく、業務の話から始める必要があります。
逆算するとこうなる
申請書に書くのは、おおよそ次のことです。
- どの業務に、いま誰が、どれだけ時間を使っているか
- それをどう変えるのか
- 変えた結果、何がどれだけ減る/増えるのか
- そのために何をいくらで導入するのか
このうち最初の1行が、いちばん時間がかかります。社内の誰も、自分の作業時間を正確には把握していないからです。書き出して、確かめて、数字にする。ここに1〜2ヶ月かかります。
そこから範囲を決めて、対象経費になる形で見積りを作る。さらに1ヶ月。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 秋(9〜11月) | 業務を書き出し、変える対象を一つに絞る |
| 冬(12〜2月) | 範囲を確定し、対象経費になる形で見積りを作る |
| 春(3〜4月) | 公募開始に合わせて申請 |
| 採択後 | 着手。年度内に完了させる |
公募が始まってから業務の書き出しを始めると、この工程が全部後ろ倒しになります。だから秋なのです。
採択されなくても、無駄にはならない
もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
補助金は必ず通るものではありません。ただ、申請のために整理した内容は、採択の可否と関係なく残ります。どの業務に時間を使っているか、何を変えれば効くのか。これが分かっている会社と、分かっていない会社では、その後の投資判断の精度がまったく違います。
なので当方では、「補助金が取れたらやる」ではなく「やることを決めたうえで、使える制度があれば使う」という順番をおすすめしています。
XIONが担当するところ
はっきりさせておきます。申請の代行はしません。採択の保証もしません。
担当するのは、制度に合う形で「何を、いくらで、どう変えるか」を整理し、申請に必要な見積りと計画の材料を揃えるところまでです。申請そのものは、事業者様、または認定支援機関と進めていただきます。
具体的にはAI・業務改善診断(165,000円税込)で、ヒアリング2回、業務フローの整理、候補の抽出、簡易試算、導入提案書までをお出しします。提案書はそのまま社内資料としても、申請の材料としてもお使いいただけます。
診断だけで終わっても構いません。「うちはまだAIを入れる段階ではない」という結論になることもあります。そのときは、そうお伝えします。
今が8月なら
ちょうど動き出すタイミングです。まず、いちばん時間を取られている作業を教えてください。それが分かれば、変える価値があるかどうかはすぐ判断できます。
AI活用・業務改善のページに、進め方と料金を書いています。