七五三

【福井・神明神社】カメラマンの我が家の七五三|5歳は羽織袴、7歳は着物を着ないお祝いに

神明神社の社殿前に立つ羽織袴姿の5歳の男の子

こんにちは、フォトグラファーの岡本隆則です。

今回は少し趣向を変えて、我が家の七五三の話です。主役は5歳の息子と、7歳の娘。姉弟そろってのお祝いですが、娘は着物を着ないという選択をしました。

お参りしたのは福井市の神明神社。家での着付けからご祈祷、境内と近くの公園でのおさんぽまで、11月中旬の一日を、いつもお客さまのご家族を撮っているのと同じ距離感で撮ってみました。……というのは半分建前で、実際のところ、我が子を撮るのはお客さまを撮るより何倍も難しいのですが。

まずは家で、着付けから

自宅で七五三の着付けをしてもらう男の子

この日のスタートは家から。床いっぱいに広げた着物と、家族総出の着付けタイムです。お客さまの撮影でも、可能な限り着付けから伺うようにしているのですが、それは「これから始まる感」がいちばん写真になるから。自分の家でも、やることは同じでした。

羽織を着せてもらう5歳の男の子

羽織に袖を通したところ。着るものが変わると、背筋の伸び方まで変わるんですよね。

扇子で顔を隠しておどける七五三の男の子

……と思ったら、扇子を見つけて即座にこれ。5歳、通常運転です。

ちなみに、この「父親がカメラを構えている」という状況、我が子にはまったく通用しません。よそのお子さまなら緊張してくれるところを、こちらは1ミリも緊張しない。かしこまった顔を1枚も撮らせてもらえないまま、支度が終わりました。

福井市・神明神社へ

福井市 神明神社の鳥居と七五三ののぼり

お参り先は、福井市宝永の神明神社。延長2年(924年)の創建と伝わる古社で、御祭神は天照皇大神です。地元では「おしんめさん」の愛称で親しまれています。

七五三シーズンには境内にのぼりが立ち、「ご祈祷入口」の案内も出るので迷いません。市街地にありながら境内はゆったりと広く、朱塗りの社殿が晴れ着によく映える——撮影地としてお客さまにおすすめすることも多い一社ですが、自分の子のお参り先としても迷わずここにしました。

神明神社の参道を歩く姉と弟

姉と並んで参道へ。この日は娘も7歳のお祝いの主役です。着物は着ずに、お気に入りの黒の装いで。

手水舎で手を清める七五三の姉弟

手水舎で手を清めます。柄杓の持ち方を姉に教わりながら、真剣な横顔。

七五三は何歳でお参りする?

七五三は、子どもの成長に感謝し、これからの健やかな成長を願う行事です。一般的に、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いします。

男の子の5歳は「袴着(はかまぎ)」の節目。はじめて袴を身につけ、少年の仲間入りをするという意味が込められています。今回の羽織袴姿も、まさにこのお祝いにちなんだものです。

数え年で行うのが伝統ですが、現在は満年齢でお祝いするご家族がほとんどで、どちらでも問題ありません。正式なお参りの日は11月15日ですが、実際には10月から11月の土日祝に参拝されるご家族が多いです。混雑を避けたい方は、午前中の早い時間帯が狙い目ですよ。

着物を着ない七五三、という選択

神明神社の身長計の前に立つ7歳の女の子

娘は7歳。本来なら帯解(おびとき)の節目で、四つ身の着物に帯を締めてお祝いする年齢です。けれど本人と相談した結果、着物は着ないことにしました。

七五三は「着物を着なければいけない行事」ではありません。ご祈祷はワンピースやスーツ、きれいめの私服でまったく問題ありませんし、本人が着たがらない・当日の負担が大きいといった理由で着物を見送るご家族も年々増えています。大切なのは、ここまで元気に育ったことに感謝してお参りする、という中身のほうです。

撮る側としても、着物がないと写真が寂しくなるということはまったくありません。むしろ本人がいちばん機嫌よく過ごせる格好のほうが、いい表情が出ます。実際この日も、動きやすい格好だった娘のほうがよく動きよく笑っていました。「着物は着ないけれど記念写真は残したい」——そんなご相談も、ぜひお気軽にどうぞ。

ご祈祷へ

神明神社の拝殿に置かれた太鼓

拝殿に上がってご祈祷です。太鼓の音が響くと、さっきまで扇子で遊んでいた顔がきりっと切り替わりました。家では絶対に見せない顔を、こういう場所ではちゃんと出してくる。親としては、ちょっと悔しいくらいです。

神職から授与品を受け取る七五三の男の子

ご祈祷のあとは、神職の方から授与品を受け取ります。両手で、きちんと。この日いちばん誇らしそうな顔でした。

千歳飴に込められた願い

千歳飴の袋を持つ羽織袴姿の男の子

七五三といえば千歳飴。細く長い形には「千年」の名のとおり、長寿への願いが込められています。

袋を手にした瞬間から、これはもう自慢の一品。このあと境内をまわるあいだ、ずっと相棒でした。

家族写真だけは、カメラを手放して

神明神社の社殿前で撮影した家族写真

社殿を背に、家族4人での集合写真。露出とピントの設定だけ済ませてカメラを預け、シャッターは押してもらいました。設定さえ合わせておけばあとは押すだけ——とはいえ、自分がレンズの前に立つ機会は年に何度もないので、なんとも落ち着かない数十秒でした。

普段お客さまにお伝えしていることを、この日は身をもって思い知りました。家族の誰かがシャッター役をやると、その人だけ写真に残らない。我が家のアルバムをめくると、子どもたちと妻の写真は山ほどあるのに、4人そろった写真だけがほとんどないんです。撮る仕事をしていると、なおさらそうなります。

だから撮影のご依頼をいただいたときは、全員がそろった1枚を必ず撮らせていただきます。せっかく家族全員が同じ場所に立つ日なので、一人も欠けずに残してください。これは営業トークではなく、心からの実感です。

母親に寄り添う七五三の男の子
父親と社殿前に立つ七五三の男の子

母と、父と。それぞれとの2ショットも忘れずに。お客さまの撮影でも必ず撮らせていただくカットですが、あとから見返したときにいちばんじんわりくるのは、たぶんこのあたりです。

秋の境内をおさんぽ撮影

かしこまったカットが済んだら、あとは境内をゆっくり歩きながら。11月中旬の境内は、紅葉がちょうどいい差し色になってくれました。

神明神社の神馬像の前に並ぶ姉弟

神馬像の前で。境内には身長計もあって、姉弟でひとしきり背比べをしていました。

紅葉を背にシャボン玉で遊ぶ7歳の女の子
千歳飴をなめる七五三の男の子の横顔
シャボン玉を吹く羽織袴姿の男の子

飴をなめながら、シャボン玉を吹きながら。手に何かを持ってもらうと、カメラへの意識がふっとほどけて、自然な表情が出やすくなります。緊張しやすいお子さまの撮影ではいつも用意しておく小道具ですが、この日は「父親のカメラを一切気にしない我が子」に対して、もっぱら足止めのために使いました。

千歳飴を掲げて喜ぶ七五三の男の子
姉と弟が抱き合う七五三の一枚

そして最後はやっぱり姉と。羽織袴と黒のワンピース、装いはまるで違うのに、並ぶと一目で姉弟です。ふざけているようで、こういう距離感がそのままきょうだいの記録になります。

神社のとなりの公園で

境内そばの公園でブランコに乗る姉弟

お参りのあとは、すぐ近くの公園へ。羽織袴のままブランコに乗る、という絵はなかなか撮れません。お客さまの撮影なら「着物が汚れませんか」と一応確認するところですが、自分の子なので黙って撮りました。この日のこの姿でしか撮れない一枚です。

神社の格式ある背景と、いつもの遊び場。同じ一日のなかに両方があると、アルバムにしたときのリズムが出ます。神社の近くに公園がある——というのも、実は撮影地選びの地味な決め手だったりします。

背景紙を立てて、ポートレートも

せっかくの晴れ着なので、あらためて背景紙を立ててポートレートも撮りました。神社での撮影が「その日の記録」なら、こちらは「その年齢の顔」をきちんと残す時間です。仕事道具が家にある役得というやつですね。

刀を構えるポーズをとる羽織姿の男の子
扇子で顔を隠す羽織姿の男の子のポートレート

刀に扇子。本人の「かっこいい」を全部やってもらいました。

ベレー帽をかぶった羽織姿のポートレート
手作りの猫のお面をつけた男の子

途中からはベレー帽をかぶってみたり、お面が登場したり。正統派の正装写真から、こういう遊びのあるカットまで一緒に残せるのが、家でも出張でも撮影のいいところだと思っています。

撮り終えて

着付けのソワソワ、ご祈祷中の凛とした横顔、千歳飴を掲げたときの満面の笑み、そして姉とふざけ合う顔。5歳という年齢は、かっこつけたい気持ちと甘えたい気持ちが同じ日のなかに何度も行き来します。その振れ幅ごと残せたら、それがいちばんの七五三写真だと思っています。

そして、着物を着た弟と着なかった姉が、同じ一日を同じテンションで楽しんでいたこと。七五三のかたちは家族の数だけあっていいのだと、自分の家で確認できた一日でもありました。

もうひとつ正直に書いておくと、我が子の撮影はやっぱり難しいです。カメラを構えても緊張感ゼロ、指示は通らない、父親の目で見てしまうから引きの判断も鈍る。お客さまのご家族を撮るときのほうが、よほど冷静にいい表情を待てます。「家族の写真を、家族以外の人に撮ってもらう」ことの意味は、たぶんそこにあります。

七五三の出張撮影は、着付けからお参り、おさんぽ撮影まで通してお引き受けできます。神明神社をはじめ福井市内の神社はもちろん、坂井市・鯖江市・越前市・敦賀市など福井県内全域に出張していますので、お気軽にご相談ください。

撮影地:神明神社(福井県福井市宝永)

撮影のご相談はこちら