七五三のご相談で、ときどきこういう話になります。「いとこも同じ年なので、一緒にできませんか」。
10月、坂井市の三國神社でその形の撮影をしました。袴を着けた男の子がふたり。いとこ同士です。片方のお母さんと、もう片方のお父さんがごきょうだいで、それぞれの家に下の子がいます。ひとりは歩きはじめたばかり、ひとりは生まれて間もない赤ちゃんでした。
拝殿の前で撮った集合写真には、13人が並んでいます。

13人が同じ日に揃う、というのが本題です
2家族でまとめる理由は、費用や手間の話だと思われがちです。でも、実際に効いてくるのはそこではありません。
祖父母が共通だからです。
いとこ同士の七五三を別々の日にすると、祖父母は同じ神社に2回行くことになります。そして、どちらの写真も「片方の家族だけ」で終わります。同じ日にまとめると、両家と祖父母がそろった一枚が撮れる。この世代が元気に立って歩いている姿を撮る機会は、行事の日にしかありません。

上のふたりが前に並んで、両家のお父さんが赤ちゃんを抱いてしゃがみ、後ろに大人が並びました。提灯の社名まで入れて、拝殿の全体を背景にしています。
三國神社は、ご祈祷中に撮影ができます
お参り先は三國神社。坂井市三国町の神社で、地元では「おさんのさん」と呼ばれています。大山咋命と継体天皇をお祀りしていて、入口の随身門は1870年の建立、楼門としては県内最大級です。5月の三国祭でも知られています。

七五三の撮影で神社に伺うとき、いちばん先に確認するのがご祈祷中の撮影の可否です。福井で伺っている神社は、ご祈祷中は撮影できないところがほとんどです。参拝の場ですから、そのほうが自然だと私は思っています。
三國神社は、撮影ができる数少ない神社のひとつです。

おかげでこの日は、拝殿に上がって祝詞を聞いているところから、神職の方が太鼓を打つところ、お守りを受け取るところまで残せました。ご祈祷中が撮れない神社では、この時間は外で待つことになります。


神社を決める段階で聞いておくと、期待がずれません。ご祈祷の様子をどうしても残したい場合は、撮影できる神社を選ぶという決め方もあります。
撮影は、受付から始めています
駐車場で合流したら、そのまま一緒に社務所へ向かいます。

書類を書いているだけの場面なので、撮らない撮影者もいると思います。でも、この時間の子どもの様子があとから効いてきます。慣れない着物で立っている。親が記帳しているあいだ、手持ち無沙汰にしている。その日いちばん緊張しているのは、たいてい受付のときです。

拝殿に上がって椅子に並んで待つあいだも、ふたりはまだ固い。ここから境内に出て、町を歩くころには別人のようにほどけます。並べたときに、その変化が写真に残ります。
人数が増えると、写真の「種類」が増えます
この日の納品は295カットでした。参考までに、6人のご家族の入学記念を90分で撮った日は134カットです。被写体が倍近くになると、カット数もおおよそそれに比例します。
理由は単純で、組み合わせの数が増えるからです。
- いとこふたりだけ
- それぞれのご家族4人ずつ
- 上の子と、生まれたばかりの下の子
- 祖父母と孫全員
- 両家そろって13人

ひとつのご家族なら数パターンで終わるところが、2家族だと倍以上になります。時間はそのぶん要りますが、撮れる写真の幅は人数がそのまま持ってきてくれるので、待たされる時間はほとんどありません。

赤ちゃんがふたりいる日は、抱っこしている大人が2人固定になります。集合写真のとき、誰かがシャッター役に回れば、その人は確実に写真から欠ける。両家ぶんの「欠ける人」が出るので、ここは撮影を任せていただく意味が大きい場面でした。
この13人が同じ日に同じ場所に立つのは、次はいつかわかりません。
神社のあと、三国湊を歩きました
ご祈祷が終わって、そのまま解散にはしませんでした。神社を出て、三国湊の町並みまで移動しています。
理由はふたつあります。ひとつは、境内だけだと写真が一種類になること。もうひとつは、神社での時間で子どもが撮られることに慣れることです。移動が、そのまま助走になる。自然な表情は決まって後半に出ます。

歩いていたら、お友達に出くわしました。ベビーカーを押したお母さんと、お子さんがふたり。晴れ着のまま、道の真ん中で立ち話が始まりました。
これは狙って撮れるカットではありません。地元の神社に地元のご家族がお参りに来て、そのまま町を歩いているから起きることです。予定に入っていなかった出来事のほうが、あとから「この日らしい」と言われます。だから、こういう場面も止めずに撮っています。

歩いた先にあるのが旧森田銀行本店です。1920年に建った、福井県内でいちばん古い鉄筋コンクリートの建物。三国湊の廻船問屋が興した銀行の本店で、いまは無料で中に入れます。
この壁が、七五三の衣装と相性がいい。朱色や山吹色を赤茶けたレンガの前に置くと、沈まずに立ちます。神社の木と緑を背景にした写真とは、まったく別の色になりました。


町なかには三国祭の山車人形が出ていて、ふたりはしばらくそこから動きませんでした。朝に上がった拝殿にも三国祭の写真が掛かっていたので、同じ祭りを一日で二度見たことになります。


格子戸の前で、千歳飴の袋を持ったふたり。境内では出てこなかった顔でした。
2家族でまとめるか、分けるか
向いているのは、こういう場合です。
- いとこ同士の年齢が近く、同じ年に祝える
- 祖父母が共通で、両家がそろう機会をつくりたい
- 神社とご祈祷の日程を、両家で合わせられる
逆に、分けたほうがいいこともあります。
- どちらかのお子さんが場所見知りをする(人数が多いと落ち着かない)
- お子さんの年齢が離れていて、着付けの手配が二重になる
- 両家の集合が難しく、当日の待ち時間が長くなりそう
料金は人数ではなく撮影時間で決まります。2家族で1回の撮影を分け合う形になるので、ご負担は思っているより軽く収まることが多いです。ただし人数が増えるぶん、1か所で終えるより時間に余裕を持ったほうがうまくいきます。料金と撮影時間の違いはプランのページにまとめました。
参拝の日と撮影の日を分けるという選び方もあります。この考え方は入学祝いの撮影の記事に書きました。帰省に合わせて四世代でお参りされた例は氣比神宮の記事にあります。
揃った日に撮る
いとこふたりはそれぞれの学校へ行き、赤ちゃんは大きくなり、祖父母は年を重ねます。この13人が次に同じ日に同じ場所へ立つのが、いつになるかはわかりません。
揃った日に撮る。理由はそれで足ります。
坂井市の撮影地は坂井市の出張撮影のページに、家族写真全体の考え方は家族写真のページにまとめています。
七五三のご相談は、10月に入ると土日から埋まります。2家族・3家族でのご相談は日程の調整に時間がかかるので、早めにご連絡ください。
撮影地:三國神社(福井県坂井市三国町山王)/三国湊の町並み・旧森田銀行本店(同 南本町)