コラム

福井県が、デジタル導入に補助金を出しています

県のデジタルツールカタログ21件のうち、AIに触れるものが6件あることを格子で表したアイキャッチ

福井県が「ふくいデジタル導入チャレンジ補助金」という制度をやっています。県が選んだデジタルツールのカタログがあり、その中から導入したものについて、費用の半分(上限50万円)が補助されます。

制度そのものより、県が予算をつけて後押ししているという事実のほうが、事業者にとっては大きい話だと思っています。

国も県も、AIに予算を向けている

ここ1〜2年で、制度の名前そのものが変わりました。

  • 国のIT導入補助金は、令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」になりました。予算3,400億円、最大450万円。名前にAIが入っています
  • 県の「ふくいDX加速化補助金」は一般枠400万円・トライアル枠100万円
  • そして今回の「ふくいデジタル導入チャレンジ補助金」。県のカタログに載っている21ツールのうち6つがAIに触れており、生成AIそのものを扱うツールも入っています

行政が予算をつけるのは、たいてい流行の少しあとです。裏を返すと、すでに「やっている会社がある」段階だということです。

制度の中身

項目 内容
補助率 1/2
補助上限 50万円
対象 県の「デジタルツールカタログ」に登録されたツールの導入
対象者 福井県内の中小企業
受付 6月末/7月末/8月末/9月末/10月末の5次
事業期間 交付決定日〜令和9年1月31日

交付決定前に着手したものは対象外です。先に契約や発注をしてしまうと使えません。ここは他の補助金と同じです。

予算の執行状況によって、受付が予定より早く終わることがあると県も書いています。使うつもりなら、早いほうが確実です。

最新の要領は福井県のページでご確認ください。

春を待たなくていい制度です

補助金の話をすると「公募は春でしょう」と言われることがあります。国の制度や、ふくいDX加速化補助金はそうです。準備は秋から冬にやることになります。

ただ、この制度は秋まで受付があります。年度の途中で動けるものもある、ということです。

選ぶときに、ひとつだけ見ておくこと

カタログには、勤怠管理、給与計算、採用支援、生成AI、施設管理、AIカメラなど、性格の違うツールが並んでいます。自社の業務に合うものがあれば、補助金で半額になるのですから、使わない理由はありません。

そのうえで、実務的な注意をひとつ書いておきます。月額の表示だけで判断しないことです。

カタログを一通り読むと、価格の書き方に幅があることが分かります。

  • 月額が数百円でも、最低利用人数が決まっていて、10人分から、というもの
  • 月額が2万円台でも、初期費用が数百万円というもの
  • 月額の記載はなくても、最低利用期間が2年というもの

たとえば「1人あたり月額1,800円」と書かれていても、最低10ユーザーで導入支援料が別途かかると、初年度は100万円を超えます。補助上限は50万円なので、投資額100万円ぶんまでしかカバーされません。それを超えた分は自己負担です。

悪い書き方をしているわけではありません。どのツールも初期費用と最低条件をきちんと明記しています。読む側が、月額ではなく初年度の総額で見るだけの話です。

見るのは3つです。

  1. 初期費用はいくらか
  2. 最低利用人数・最低利用期間はどうなっているか
  3. 1と2を足して、初年度の総額はいくらか

この3つを出してから、補助金を引き算してください。順番が逆になると、桁を見誤ります。

カタログに合うものが無かったら

この制度は、カタログに載っているツールが対象です。裏を返すと、自社の業務に合うものがカタログの中に無い場合もあります

そのときに気をつけたいのは、業務のほうをツールに合わせにいくことです。補助金が出るからという理由で選んだツールに、いまのやり方を寄せていく。これで動かなくなった例を、いくつも見ています。

合わないなら、無理に入れないほうがいいです。既存のツールを組み合わせるだけで済むこともありますし、そもそも「その業務をやめる」のが正解なこともあります。

XIONの立ち位置

正直に書きます。XIONはこのカタログに載っていません(掲載企業の募集はすでに終了しています)。つまり、この補助金でXIONに発注することはできません。

そのうえで、できることがあります。

カタログのツールを売っている各社は、当然ながら自社のツールを勧める立場です。県も「特定のツールを推奨するものではありません」と明記していて、どれを選ぶかの判断は事業者に委ねられています

  • いまの業務を書き出して、そもそも何を変えるべきかを整理する
  • カタログの中に合うものがあるかを一緒に見る。あればそれを使ってください
  • 無ければ、既存のツールの組み合わせや、小さく作る方法を考える

ツールを売っていないので、「入れないほうがいい」と言えます。AI・業務改善診断は165,000円(税込)で、この判断までをお手伝いします。補助対象にはなりませんが、合わないものに100万円を投じるより先に、やっておく価値はあると思っています。

これから増える仕事のこと

AIを使った業務は、これから確実に増えます。国が制度の名前を変え、県がカタログを作ってAIツールを載せている。その流れの中にいます。

ただ、増えるからといって、全部を早く入れる必要はありません。ひとつ試して、使われているか確かめて、次に進む。それだけで十分です。

何から手をつけるか分からない状態でも構いません。まず今の業務を書き出すところからご一緒します。

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